支援活動の実績



=== 東日本大震災被災者支援プロジェクト・「つなぐ光」事業報告 ===

                        作成:2013年4月1日 中川角司

  ◇団体名 東日本大震災被災者支援プロジェクト・一般社団法人「つなぐ光」
  ◇所在地 〒904-0404 沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1404-1 シーサイドビラ203
  ◇連絡先 Tel&Fax 098-966-1103  メール tsunaguhikari@gmail.com
  ◇情報先 HP http://tsunaguhikari.jp/ ブログ http://tsunaguhikari.ti-da.net/
  ◇担当者 事務局長 中川角司(厚生労働大臣認定産業カウンセラ・心理相談員)

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★事業開始:

2011年の3月11日に東日本大震災が起こりました。
避難所の子供たちがテレビに映るたびに、この沖縄で「未来の宝を守りたい」という想いが募りました。
苦しんでいる人が大勢いる中で、見過ごせば後悔すると感じ、大震災から一週間後の3月18日より、被災者支援活動のプロジェクトを発足いたしました。

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★事業報告

<2011年度> 2011年3月18日〜2012年3月31日:

福島第一原発より200キロ圏内で、福島第一原発事故に起因する被災地の妊婦と子育て家族を対象に、下記の3つの支援事業(A.レスキュー/B.学童保養疎開/C.コミュニティ形成)を行いました。

A.レスキュー支援:  「レスキューとホームステイ受け入れ」

「レスキュー支援」とは、妊婦や子供に対する放射線の影響を低減する為の活動です。
沖縄に来てからの支援ではなく、沖縄に「来るための」支援で、沖縄への避難誘導と滞在場所と食事の提供をいたしました。
震災発生から1年間の中で、沢山の方に様々なサポートを頂いて、福島県を中心とした70世帯206名の方に、沖縄本島で4週間〜5週間の無料滞在と全食事支給を行うことができました。
全てを津波で流されるなど一時的に経済事情の厳しくなった方には、航空運賃と生活一時金も提供することができました。

  <概要:被災地から第一次と第二次の合計で70世帯206名が滞在した> 
         【第一次支援体制】 【第二次支援体制】
  ・実施期間: 2011.3.18〜10.15  2011.11.1〜2012.3.15
  ・支援対象: 福一100キロ圏内  福一200キロ圏内
  ・支援世帯: 合計34世帯94名   合計計36世帯112名
  ・  内訳:  福島16世帯47名   福島02世帯06名
          宮城15世帯39名   宮城06世帯15名
          茨城03世帯08名   茨城09世帯40名
                      岩手02世帯06名
                      栃木03世帯09名
                      千葉14世帯36名

B.学童保養疎開支援:  「海と空の林間学校in沖縄」

「学童保養疎開支援」とは、高レベルな放射線地域に住む子供たちの免疫力を回復する為の活動です。
放射線の不安のために外で遊べない子供たちに、夏休みの1ヶ月間を沖縄で過ごしてもらう沖縄サマーキャンプです。
避難所生活や仮設住宅の子供たちを優先とし、(結果として9名が優先者)、被災された親族の負担も鑑み、福島県まで迎えにゆき、往復の飛行機代、1ヶ月間の宿泊費と食費、全て込み込みで一人1万円の参加費といたしました。
特筆として、この保養期間、20名の子供たちはメンタル修復と細胞修復の両方ができたようで、身長が10センチ程も伸びた子がいました。

  <概要:福島県から20名の児童が滞在した> 
  ・実施期間: 2011年7月25日〜2011年8月22日
  ・支援対象: 小学5年〜中学2年の自分の事ができる児童
  ・支援児童: 福島県在住の20名(男女10名づつ)
  ・  内訳:  いわき市 9名
          郡山市   5名
          福島市   5名
          田村郡   1名

C.コミュニティ形成支援:  「浦添ツナグトコロ」

「コミュニティ形成支援」とは、レスキュー避難の後、そのまま沖縄に移住される方々が孤立しない為の、繋がっている安心感を提供する活動です。
避難しても孤立したら別の苦悩が生まれるので、避難者と沖縄県民をつなぐ意味から、浦添市で交流ステーション「ツナグトコロ」を運営し、避難者が集うイベントを提供しました。
避難してきたものの、出産・子育て・行政・地域・生活などの情報をどのように得ればいいのかわからない…そのような声に応えてゆきました。
また、移住する際、どの地域に先輩移住者がいるかを見つける地図「つなぐマップ」をホームページ上に公開し、移住への安心を提供しています。

  <概要:交流ステーションイベントに合計で372名が集った>
  ・実施期間: 2011年9月1日〜2012年3月31日
  ・支援対象: 被災地から沖縄に来た方や自主避難者
  ・交流人数: ___________合計 372名
  ・  内訳: 交流ゆんたく会など        080名
         バザー&支援物資提供会など  085名
         情報交換会など          107名
         講演会など             100名 (全16回)

<2012年度> 2012年4月1日〜2013年3月31日:

福島第一原発より200キロ圏内で、福島第一原発事故に起因する被災地の母子家庭を対象に、下記の支援事業(D.移住支援)を行いました。
なお、前年度の3つの支援事業(A.レスキュー/B.学童保養疎開/C.コミュニティ形成)は、滞在施設やコミュニティ施設を返却した事により継続が不可能となり、終了いたしました。

D.移住支援:  「未来地球こども基金」

「移住支援」とは、311をキッカケとして様々な想いから、子供を守る為に「沖縄への移住」を決意された母子家庭をサポートする為の活動です。
内容は、移住・引っ越しに伴う飛行機代と引っ越し補助金のご提供になります。具体的には、現金にて14万4千円(飛行機代10万円+引越し代補助4万4千円)を引っ越し前までにお振り込みにて提供するものです。
また、移住支援の一環として、移住希望者に安心感を持って頂きたいので、「つなぐマップ」以外に、新たにFacebook上に「つなぐ光の移住支援ページ」を設置し、沖縄県内の賛同者に仕事情報や物件情報や書込んで頂く仕組みを作りました。

  <概要:被災地から8世帯22名が移住した> 
  ・実施期間: 2012年4月1日〜2013年3月31日
  ・支援対象: 被災地の母子家庭
  ・支援世帯: 8世帯22名
  ・  内訳:  秋田  1世帯2名
          宮城  1世帯2名
          茨城  1世帯6名
          栃木  2世帯5名
          千葉  1世帯2名
          東京  1世帯3名
          神奈川 1世帯2名

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つなぐ光は、約2年(2011年3月18日〜2013年3月31日)の期間において、福島第一原発から200キロ圏内にお住まいの「妊婦さんと子ども連れ家族」を対象に、現地から沖縄までの避難支援を行いました。

そして、現段階においては、ひとつの区切りをつけさせて頂く事になりました。

本報告書は、2011年度の支援事業(ABC)と、2012年度の事業(D)が一覧で見えるようにあえて2年分を記載しています。

2年間で、つなぐ光が支援を行ったトータル実績は下記となります。

  A.レスキュー受入家族数 70家族206名
  B.林間学校受入児童数  20名
  C.避難者交流企画数   16回(372名)
  D.移住支援家族数     8家族22名

また、2年間で、つなぐ光が頂戴しましたご支援のトータル実績は下記となります。

  ・支援活動寄付金    16,641,890円
  ・沖縄県助成金       500,000円
  ・ステイ提供登録部屋数    112部屋
  ・ボランティア登録人数     178名

現在では全ての財源を使い切りましたが、滞在支援や移住支援の実績を見るなら、全248名様に対して、一人あたり6万円台の経費で、1ヶ月3食付きの滞在支援や、飛行機代と引っ越し費用を補てんする移住支援が出来たことになり、全国の皆様のご厚意にて頂戴した寄付金を、十二分に活用させていただいたと感じております。

つなぐ光をご支援くださった皆様に感謝です。
また、つなぐ光として支援をさせて頂いた皆様に感謝です。
そして、特に、つなぐ光を支えて下さったスタッフの皆様に、最大の感謝を感じています。

ご縁をいただきました皆様、これまでの活動に対するご支援をありがとうございました。

東北・関東から沖縄県に移住後は、自給自足に向かう生活をスタートされた方、二重ローンを抱えられたままの方、離れ離れで暮らされている方、様々な不都合をお感じながらも、それぞれのご家庭は、それぞれのやり方で生きているのだと実感しています。

その先に家族の笑顔を予感するなら、それで良いのだと思います。
つなぐ光では、その個々の想いをご支援したかったのだと、今わかります。

また今後も、日本で、世界で、この先も多くの人が動く必要のある場面が来ると思います。
その時まで、それぞれの優しさや思いやりを育ててゆければと願います。

つなぐ光は、311初期2年間の動乱期において、皆様に十二分にご支援をいただいて、福島県を中心としたご家族をサポートすることができ、役割を全うすることができました。

2年を振り返り、この活動に関われました事に心からの感謝を感じております。
本当にありがとうございました。そして、またどこかでお会いしましょう!

以上


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